胴巻きの取り付け方
「自分好みの胴巻きをつけたいな」
三線を弾き始めると、段々そう思うようになります。
「でもどうやって取り付けるんだろう」
と、お悩みの方も多いでしょう。
そこで、実際に職人さんに胴巻きの取替えをしてもらい、その手順をまとめました。職人仕様の手順なので少々道具も細かいですが(^^;、実際はそれほど難しいものではありません。
ぜひお好みの胴巻きを取り付けて楽しんでください!
「胴巻きの取り付け方」
目次
1:胴巻きのはずし方
~1:胴巻きのはずし方~
まず、糸かけをはずします。
三線の下部のお尻のところで、絃を結んでいる糸かけがあります。糸かけは胴巻きがゆるまないためのストッパーにもなっています。
糸かけがはずれにくい場合は、カラクイ(糸巻き)を回して絃をゆるめてください。
胴巻きのヒモを緩めて、胴体からはずします。
(左の写真は、職人さんが棹を抜いてから胴巻きをはずしたためです。ヒモをほどけるなら、棹をはずす必要はありません)
無事に外れた場合は2:新しい胴巻きのつけ方へすすむ≫
※ヒモが固くてはずれない場合は下記に進みます。↓↓
1-1ヒモが固くてはずれない場合
※ヒモが固くてはずれない場合は、ヒモを切るか、棹を胴体から抜いて胴巻きをはずすかになります。以下、棹を胴体からはずす方法をお伝えしますが、「三線が元に戻らなくなった~!」などということがないよう、充分ご注意のうえおこなってください。
棹を胴体からはずします。
※棹をはずすのは、胴巻きのヒモが固く結ばれてほどけない場合の方法です。簡単にヒモをほどける場合や、ヒモを切るなどすれば、棹と胴体をはずす必要はありません。
写真のように、職人さんは手ではずしてますが、普通は固くてはずれにくいと思うので、棹のお尻をカナヅチで叩くなどしましょう。
棹を抜くところです。
棹と胴体は、はずしても後から合体できます。
※どちらが胴体の表か分かるようにしましょう。後から合体させるときに棹と噛み合わなくなります。
※三線の棹と胴体は一つ一つ形が違うため、それをうまく合体させて音が鳴るようにするためには、「ブーアティー」という職人技術が必要です。再度さおと胴体を合体させる際は、別の胴体と棹をつけたりせず、最初の組み合わせ通りにしましょう。
胴巻きをはずしました。
スポッと抜けます。
また棹と胴体を合体させます。胴体の裏表に注意しましょう。棹は強くはめ込んでください。
※三線の棹と胴体は一つ一つ形が違うため、それをうまく合体させて音が鳴るようにするためには、「ブーアティー」という職人技術が必要です。再度さおと胴体を合体させる際は、別の胴体と棹をつけたりせず、最初の組み合わせ通りにしましょう。
~2:新しい胴巻きの取り付け方~
胴巻きを半分から折り曲げます。
せっかく買ったものを折り曲げるのは勇気がいります。
左の写真のように、半分に折り曲げた胴巻きをあてて、棹の位置を確認します。
三線は一つ一つ棹の位置が違うので、こうやって確認しなければいけないのです。
棹のたての位置に印をつけます。
このようにシールかテープを張るとわかり易いです。なければ、ペンなどで胴巻きに直接印をつけておきましょう。
今度は棹の横の位置に印をつけます。
左の写真では、胴巻きの半分に折り曲げた部分を、棹の中心に合わせて横幅をはかっているところです。
棹の位置がわかったところで・・・・ いよいよ胴巻きに穴をあけます。
以下は、職人のやり方にしたがって、ノミとかなづちをつかって穴をあけます。ちょっと難儀ですが、ハサミやカッターを使ってあけてもも結構です。
印をつけたところをめがけて、ノミをうちつけます。
下には木材や新聞紙など厚めのものを敷いておきましょう。
準備が整ったら、ドカッといきます。
縦の次は横、というふうに、棹の形の四角い穴があくよう、四辺にのみをうちつけます。
もういっちょ!
めでたく穴があきました。シールをはがします。
おそるおそる棹にはめこんでみます。少しくらいきつくてもそのまま押し込んでください(きつすぎるならもう少し穴をひろげましょう)。多少穴の大きさが違ったり、糸がほぐれていても、糸かけで隠すことができます。
糸かけをつけます。
次はヒモの結び方にうつります。
3:~ヒモの結び方~
これから、職人仕様のヒモの結び方をお伝えします。 職人だけあって見た目にもきれいに見えるよう手間をかけた結び方をしていますが、胴巻きがゆるまなければそれほど問題はないので、「適当にヒモを通して蝶むすび」でもかまいません。「いや、オレはこだわりたい」という方は、是非職人仕様の結び方にチャレンジしてください。
ヒモをまげて、輪っかになった部分を左図のように胴巻きの穴へ通します。
多くの三線が、胴体の左側へヒモの結び目を作っておりますので、慣習にしたがって、三線の左前の穴からヒモを通していきます。
「ヒモが穴を通りにくい」という場合は、糸を使って穴を通すなど工夫します。(職人さんは三線の絃を使ってヒモを通しました)
胴巻きの穴へヒモをとおしていきます。絃の下をくぐるようにしてください。
向こう側の穴にもヒモをとおして・・・
ぐるっと回ってきました。
ヒモの長さを調整します。
左の写真でわかりますでしょうか。最初に通した穴から出ている2本のヒモ(本当は1本ですが)のうち、1本は短くします。
ヒモを引っ張って胴巻きにゆるみがないようにします。
輪っかの部分に、ヒモの端の短いほうを通します。
輪っかに通したら、ぐっ!と引っ張ってヒモが強くしまるようにします。
ヒモの端の長いほうを、左図のように引っ張り・・・
短いほうを、下にくぐらせます。
左図のようになります。
短いほう、長いほうのヒモの両方をひっぱります。
エイ!
きゅっと締まりました。
はずれないよう、もういっちょ結びます。
エイ!
ここまで来たら、後は蝶むすびでも結構ですが、さらにこだわりたい方は下に進んでください。
短いほうをまたヒモの下にくぐらせます。これをどんどん巻いていきます。
←職人仕様では、固くしばってヒモが下を通りにくくなっているので、キリなどの細いものを使ってヒモを通します。それぐらい固く縛れるよう、がんばってみてください(笑)。
くるくるヒモをまいて、端まできました。
端まで巻いたら、ヒモの余った部分を穴に押し込みます。キリなどの細くて固いものを使いましょう。
穴におしこみ、ヒモの端が胴巻きの後ろに隠れるようにします。
反対側も同様に、くるくるヒモを巻きつけて、端を胴巻きの穴に押し込みます。
このままヒモの端を胴巻きの後ろに隠せば終わりなのですが、職人はそれにもこだわります。ヒモが飛び出たりするとみっともないので、木工用ボンドで固めておくのです。
ぬりぬり。
これでヒモが飛び出たりする心配はありません。あまりつけすぎると胴巻きと胴体の皮がくっつくので、ヒモと胴体を固める程度にしましょう。
職人仕上げで、おニュー胴巻きの取りつけ完成!
ここまで手間ヒマかけると、いつもの三線に一層の愛着がわいてきますね。
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